ビタミン【五大栄養素】

栄養




脂溶性ビタミン

ビタミンA

成長、生殖機能維持、上皮細胞の正常化に関係するので、不足は骨や歯の発育不全、皮膚や粘膜上皮の角質化を招き、細菌への抵抗力が低下する。妊婦や乳児はとくに必要。

視覚に良く効き、夜盲症や視力低下、眼球乾燥症を防ぐ。

緑黄色野菜などに含まれるβ―カロチン、α―カロチンなどのカロチノイド類は体内で必要なだけビタミンAになる。カロチノイド類は過剰症の心配はない。

β―カロチンの血中濃度が低いほど肺ガンの発生率が高まるとの疫学的報告がある。α―カロチンは活性酸素の害を防ぐとともに、遺伝子の変化に歯止めをかけることからガン予防効果が期待されている。

牛・豚の肝臓、ウナギにとくに多く含まれている。油脂といっしょに摂ると吸収率がアップ。

ビタミンD

腸管からのカルシウムとリンの吸収を促進し、骨の再構築を調整する働きがあり、骨や歯の成長に不可欠。欠乏すると、乳幼児ではくる病、成人では骨軟化症の原因となる。育ち盛りの子供は、成人の4倍の所要量(400IU/日)が必要。

若い頃からのビタミンD不足は閉経後の女性や高齢者の骨粗鬆症の原因に。

ヒトの皮膚にはプロビタミンDがあり、紫外線を浴びるとビタミンDに変化する。

他のビタミンと違い、体内でホルモンとして作用する。またカルシウムとリンの代謝に重要な働きをする。

レバー、マグロ、イワシ、カツオ、天日干し椎茸、卵黄に多く含まれる。ビタミンDは脂肪と一緒に小腸から吸収される。

ビタミンE

細胞を柔軟化。筋肉の緊張を和らげ、末端の血液循環をよくする。

生殖作用と関連。不足すると流産しやすいといわれる。

欠乏症として、未熟児の溶血性貧血や深部感覚障害、小脳失調などの神経症が知られている。

抗酸化作用がある。ビタミンCとともに細胞に含まれ、活性酸素などのフリーラジカルから細胞を守る。血液中ではリポタンパク質の酸化を防ぐ。

ビタミンAやカロチノイドなど他の抗酸化物質の酸化を防ぐ。これにより、細胞の老化を防ぎ、動脈硬化や白内障の予防効果が期待されている。

ゴマ油、コーン油、大豆、タラコ、カツオ、マグロなどに多く含まれる。

ビタミンK

血液の凝固を助け、血液凝固障害による出血を予防する。

通常、腸内細菌によりつくられるが、新生児は腸内細菌が少ないので欠乏症もある。妊娠中にレバーなどを食べ、ビタミンKが胎児の肝臓に蓄えられれば欠乏症は防げる。新生児の出血性疾患はビタミンK不足が考えられる。

ビタミンKはビタミンDとともにカルシウムによる骨の石灰化に関係し、骨粗鬆症の予防に効果があることが判明した。

納豆、肉、レバー、卵、乳製品、緑黄色野菜などに多く含まれる。

水溶性ビタミン

ビタミンB1

糖質の代謝がスムーズに行われるために不可欠な補酵素として働くビタミン。糖質からできるエネルギーを必要とする脳や神経系の働きの維持や調節にも大きな役割を担っている。

不足するとエネルギー代謝が不調になってピルビン酸や乳酸などの疲労物質がたまるため、めまい、食欲不振、疲労、全身の倦怠感などをきたす。

脚気や多発性神経炎を予防。

老年性痴呆症候群の一つ、ウエルニッケ症候群を予防。

調理による損失率が高いので、所要量よりも多めに摂ると良い。

豚肉、ウナギ、大豆、玄米などに多く含まれる。

ビタミンB2

三大栄養素の補酵素として働くが、とくに脂質の代謝と深くかかわつている。皮脂の分泌を調節する作用があるので、別名「皮膚のビタミン」。

肝臓の働きを強めたり、毒物を解毒する働きがある。

不足すると、口の周辺の炎症、口角炎や口唇炎、舌炎ができやすくなる。

過酸化脂質の生成防止とも関係し、ビタミンB群の中でもビタミンB1とともに不足しやすい。

アルコールをとると、脂質の代謝が悪くなるので、十分補う必要がある。

レバーや牛乳に多く含まれる。

ビタミンB6

タンパク質がアミノ酸に分解する過程にかかわる補酵素として重要。タンパク質の利用効率を高める。

ヘモグロビンの合成に必要な酵素の補酵素として働く。

細胞の新陳代謝を促すので、発育促進、生殖機能の活性化などの働きをする。

妊娠中のつわりを軽くしたり、アレルギー性の病気を防ぐ働きがある。

不足すると、皮膚疾患、神経障害、ビタミンB6反応性貧血に。

肉、レバー、マイワシ、ニラなどに多く含まれる。

ビタミンB12

赤血球の生成促進、タンパク質や核酸、神経中のリン脂質の生合成にかかわって重要な働きをしている。

ビタミンB6とともにタンパク質の代謝に関与する。

赤血球の合成に関与しているので、悪性貧血を予防する。

植物には全く含まれていないビタミンなので、菜食主義者は不足しやすい。

内臓、牡蛎、イワシ、卵などに多く含まれている。

ナイアシン

三大栄養素の代謝に関係しているが、なかでも糖質代謝で重要な働きをしている。

皮膚の発育や消化器系の働きを促進したり、解毒作用や老化防止作用もある。

血管を拡張する作用がある。

傷ついたDNAの複製・修復にかかわる酵素は、ナイアシンがなくては働けない。

ニコチン酸とニコチン酸アミドの二種類がある。

不足すると、全身疲労、口内炎など皮膚粘膜の障害、食欲不振、消化不良、下痢などの胃腸障害を起こし、ひどい場合はペラグラに。ペラグラは太陽光線に敏感になり皮膚が赤く粗くなるとともに、倦怠感やうつ状態になる病気。

牛肉、豚肉、鶏肉、豆類、魚介類に多く含まれる。

葉酸

赤血球の合成に関与、貧血を予防。細胞分裂を抑制する働きにより子宮頸部の異型上皮(前ガン状態)の進展を防ぐ。

赤血球の生成に関係しているので、不足は貧血を招く。アミノ酸、核酸の生合成にも必要。

ビタミンB12との組み合わせにより、肺ガンの前ガン状態である気管支上皮の異型性を正常化させると、臨床試験のでは報告されている。

緑葉野菜に多く含まれる。牛・豚のレバー、牛乳や卵黄、大豆などにも。

パントテン酸

三大栄養素のすべての代謝で重要な働きをしている。脂質の代謝に不可欠。タンパク質や炭水化物の代謝を促進。

神経中枢の発達を助ける。

傷の治りを良くする。

不足すると末梢神経障害を起こす。

精製されると少なくなるビタミンなので、精製食品ばかりの現代人は要注意。

牛、豚のレバー、大豆、ピーナッツ、グリーンピースなどに多く含まれる。

ビオチン

アミノ酸や脂肪酸の正常代謝に不可欠な働きをしている。

筋肉痛をやわらげる。

ヒトの場合は腸内細菌によってつくることができ、不足することは少ない。

レバーや酵母に含まれ、不足すると脱毛などが起きる。

ビタミンC

抗酸化作用があり、その働きは非常に多岐にわたる。ビタミンEとの組み合わせで、抗酸化作用を発現し酸化されたビタミンEをもとに戻す働きがある。制ガン作用が期待されている。

タンパク質の3分の1を占めるコラーゲンの生成を促進。

壊血病の予防。歯のぐらつきや出血を予防。

風邪を予防

アレルギー反応を予防

腸からの鉄の吸収を促進する。

ストレス時に多くつくられる副腎皮質ホルモンの生成に必要。また、たばこを吸う人は体内のビタミンCが早く失われるで要注意。

ブロッコリー、カリフラワー、パセリ、小松菜、柑橘類などに多く含まれる。ビタミンCは短時間で排泄されるので、食事のたびに緑黄色野菜や柑橘類などで補う心がけを。

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